序盤のキングダムの中でも、最も盛り上がる部分といえば合従軍編。
信たちが最も死闘を繰り広げ、そして秦が危険にさらされたのもこの編でしたね。
敵の印象も強くなり、この盛り上がりは最高潮といっても過言ではありませんでした。
しかし、合従軍編はかなり長いため、どのような経緯ではじまったのか、どんなエピソードがあったのか、忘れてしまった方もいるのではないでしょうか。
そこでここでは、キングダムの大きな見どころである合従軍編についてまとめていきましょう。
「キングダム」合従軍編の見所と考察
ここまでは合従軍編の流れに沿って展開と感想と考察をまとめていきました。
ここからはさらに個人的に面白かったところや見どころをまとめさせていただきます。
個人的に思う「合従軍編」の見所は以下の5つです。
- ①本能型の才の目覚めと託された火
- ②蒙武の大将軍としての覚醒
- ③王の器を見せる嬴政
- ④桓騎をはじめとした将軍たちの活躍
- ⑤龐煖との再対峙と勝利
それぞれ深堀りさせていただきます。
①本能型の才の目覚めと託された火
合従軍編では、ここにきてはじめて「本能型の武将」という分類が出てきました。信は麃公から本能型の武将であると断定されますが、本人は少し嫌がっていましたよね。
しかし、麃公と会話を繰り返すうちに意気投合し、麃公は信の2人目の師匠のような形になっていきます。
万極の討伐はもちろん、李牧の策を見破った信に対して、麃公が「本能型の才が目覚めてきている」と回想するシーンは、合従軍でも後に繋がる名シーンのひとつですね。
王騎が信に大将軍の心を教えた師匠なら、麃公は信に具体的に戦うすべ、大軍を率いる軍略を教えた師匠といえます。合従軍編で受けたこの教えは、後に信の中で芽吹き、彼を本能型の大将軍へと押し上げていきます。
そして何より、麃公から託された最期言葉が信を支え続けたのは言うまでもありません。最期の最期まで信の方を見て、「火を絶やすでない」と告げるその姿に涙をこらえきれませんでした。
盾に関しては今までは使用していませんが、これは恐らく彼の信条と魂を受け継いだ演出だと思います。
それに、王騎の矛と盾を同時に振るうのはさすがに難しいでしょうしね。
②蒙武の大将軍としての覚醒
今回の戦いで、蒙武は大将軍に昇格します。合従軍との戦いでも、彼は相応しい活躍をしました。特にすごいと思ったのが、彼が武だけではなく知略も駆使したことですね。
大将軍という存在は、強さはもちろん、戦略や知略にも精通していなければできない、ということがよりアピールされていたと思います。強さだけで大将軍になれるなら、信も大将軍になれるのではと思いましたが、今回の蒙武の活躍でそうではないと思い知らされましたね。
同様に、蒙武と同じく大将軍の器である麃公も「考えていないように見えてしっかりと戦略は意識している」というあたりも、大将軍がなんたるかを表していたように見えます。蒙武の活躍を通して、今後の信の向かう道と活躍の仕方も見えてきましたよね。
もちろん、武の側面でも蒙武は圧倒的活躍をしました。汗明との一騎打ちは蒙武最高の見せ場といっても過言ではありません。圧倒的な武と責任を伴う汗明に対し、将軍としての責任を持って立ち回る蒙武の姿は、まさに大将軍というのに相応しい姿でしたね。
とはいえ汗明もただのやられ役というには惜しい良い敵役で、「つまらぬ、だ」とか「ドンドンドドドン汗明!」とか、印象的なシーンがたくさんありました。汗明のキャラを含めて、蒙武と汗明の戦いは非常に印象的な名シーンだったと思います。
③王の器を見せる嬴政
合従軍編まで、嬴政は当然戦いには出ませんでした。しかし今回は国の危機を伴ったこともあり、嬴政が自ら軍を率いる場面がありました。この時の嬴政が本当に格好よくて、大ゴマで鎧を着た姿が見えたときは本当に胸が熱くなりましたね。
このシーンを見たとき、「そういえば信の原点は『2人で』夢を追うところにあったんだ」と思い出して、少しだけ泣けてきました。そして彼が無力な人間ではなく、王の器を持った後の始皇帝であることも感じました。
その前のシーンの、臣下たちが好き勝手いっているところを一喝する嬴政も印象的です。合従軍編前までは、まだまだ支えられている印象の強かった嬴政でしたが、このシーンによって嬴政は間違いなく秦を率いる王様に昇華したのだと思います。
そして、忘れられないのが信との絆を感じさせるシーンです。信が命からがら函谷関から帰ってきて久しぶりに嬴政と会ったとき、嬴政と再会した信の全身から力が抜け、嬴政に体を預けるシーンは最高に格好よかったですね。
このシーンはお互いの信頼感と、そして信が嬴政を、命を預けるのに足る王だと認識していることが印象的でした。これからも2人は中華統一を目指し続けますが、いくら身分が高くなっても、2人の関係は変わらないと思います。
④桓騎をはじめとした将軍たちの活躍
今回のメインとなったのは信と麃公や蒙武でしたが、その他の将軍たちもかなり大活躍をして、より一層キャラを濃くしたのが合従軍だったと思います。特に桓騎のダークヒーロー感はめちゃくちゃかっこよかったですね。
「全部うまくいく」のコマは、桓騎の悪いことをたくらんでそうな表情と、それとは対照的に戦場に良い影響を与えていくのが印象的でした。しかし、桓騎はただ手段を選ばない冷血な人間というわけではなく、人間としての魅力も出ていたのが合従軍編ですね。
特に毒でもう長くない張唐を戦場に連れていき、彼を今わの際まで戦わせるのは、桓騎の複雑な内面を表していると思いました。癖のある人物ですが、張唐が言うようにまさにその大器と戦略の鋭さは、彼が将軍に足る器だということがわかりますね。
桓騎以外にも、味方の将軍たちがそれぞれいい味を出していたのも合従軍編の魅力です。王騎の副将として活躍していた謄、不気味な暗躍を見せる王翦などもそれぞれ活躍し、カッコいい活躍を見せてくれましたね。
また、信と同世代の若い将軍たち、王賁と蒙恬も謄の指示の元で活躍していました。これだけキャラ数が多いのに、それぞれが印象的な活躍を披露できているあたり、構成力の良さも光りますね。
⑤龐煖との再対峙と勝利
合従軍編では、信は2度にわたり龐煖と遭遇しています。その遭遇の中、特に2回目の遭遇が印象的でした。これまで、龐煖は信のことを歯牙にもかけていなかったのですが、今回は信が多くのものを受け継いだからなのか、本気で倒そうとしていました。
このエピソードだけで信がいかに成長したのか、そして、彼の受け継いだものがどれだけ大きく強いものなのかを強調していると思います。一方の龐煖は何も受け継がず、ただただ武を研鑽し続けるという、信とは対極的な存在です。
彼らの対比は、キングダムという物語のテーマとも深くかかわっていると思いました。つまり、仮に倒れてしまったとしても、その後に残るものがあれば価値がある、というアツいテーマです。
これまで信は多くのものを受け継いできました。漂の心、王騎の信念、麃公の戦術など、他にも数え切れないほどの亡くなった人間が彼を支えています。これからも信は彼らの魂を背負い続けると思うと、その責任の重さと信のすがさがわかりますね。
「キングダム」合従軍編まとめ
本記事では、キングダムにおける合従軍編のあらすじと感想をまとめました。合従軍編はアニメ・漫画共にめちゃくちゃ人気のあるエピソードです。それだけにクオリティも高く、どのシーンも印象的でカッコ良い活躍ばかりですね。
合従軍編で対外の戦いはひと段落しますが、今度は今まで息をひそめ続けてきた国内の巨悪・呂不韋が本格的に動き出します。この後もキングダムの物語は面白くなっていくので、目が離せませんよね。
特に合従軍編からは、敵もただのやられ役でなくなっていくと思います。
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