本記事は、8/29(木)発売の週刊ヤングジャンプ39号に掲載されたキングダム808話を読んだ感想と考察記事です。
史実をもとにした考察が含まれるので、ネタバレにはご注意ください。ネタバレはイヤ、ヤングジャンプは読んでない。私は単行本派という方は、ここでページを閉じるようお願いいたします。
「キングダム」前話(807話)のおさらい
808話の内容に関する感想と考察をまとめる前に、まずはキングダム807話に関しておさらいもかねてまとめました。
あらためて簡単にまとめると、807話は以下のような展開でした。
- 秦軍26万に対して、韓は南陽一帯を放棄することを決断
- 羌瘣の策が明らかに!10万の兵は「兵に見せた老人」だった
以下より、もう少し詳しくおさらいしていきます。808話の展開考察はさらに先の項なので、807話のおさらいは不要という方は飛ばしてください。
秦軍26万に対して、韓は南陽一帯を放棄することを決断
「飛信隊6万」に続いて「騰軍10万」の侵攻。さらにその後ろからは、未知なる10万が侵攻してきました。秦は総勢26万の大軍勢で韓へ侵攻したのですが・・・南陽には7万の軍しかなく、王都より援軍を出しても10万程度・・・
当然、韓王都はその大軍勢に驚嘆している様子。戸籍作り1つで、そこまでの軍を起こせるのかと。もしかすると、まだ後続で大軍が侵攻してくるのでは?といった恐怖もある様子。
しかし、「洛亜完」は無尽蔵に軍を起こせるはずがないというのでした。とはいっても、今はどうやって大軍を起こしたのかカラクリを考える暇はない。まずは南陽の軍を動かすことが最優先というのでした。
つまり、洛亜完の選択は・・・南陽一帯は放棄。王都周辺をどう堅くするのかを考えるというものでした。その洛亜完の発言に対して、韓王はすぐさま南陽を切り捨てると号令をかけます。
南陽には万の民がいますが、それでも韓という国が生き残るには「失う勇気」を持つ必要があるとのことでした。その場には、南陽に家族がいるものもいますが、みながそれを理解している様子・・・辛い光景でした。
南陽城主「龍安」の潔さが男らしい!
南陽一帯が見捨てられるとなると、そこに住む住人はすべて秦軍に投降するということになりますが・・・ひどければ全員処刑。中には拷問されるものも出るかもしれません。時代は戦国ですから・・・
なので、当然王都の判断に反対するものも多かったのですが、南陽城主「龍安」という男は冷静でした。そして、かなり潔い城主であり、彼の行動はとても早く的確でした。「龍安」の選択は、以下のとおりです。
- 王都に南陽の軍をすべて送る。
- 文官たちには、韓を立て直す際に、南陽の要人を秦に取られないように家族と共に南陽城内で爵位の高いものから逃がせるだけ逃がすよう指示。
- 南陽の食料は必要最小限にして、王都へ運ぶように指示。
- 自身は南陽に残り、いざとなったら一人でも多くの民を救うために首を差し出す
以上より、南陽にいた兵士と要人はすべて王都へ。万の民と城主を残し、南陽一帯は無血で秦の手に収まるのでした。
羌瘣の策が明らかに!10万の兵は「兵に見せた老人」だった
無血で南陽一帯が手に入ったとき、ながらく明かされなかった羌瘣の策がわかりました。その策とは・・・遡ること、ある日の感陽。そこには、心理戦で戦わずに城を取るという案を昌平君に進言する「騰」がいました。
心理戦を行うため、新たに10万の軍が欲しいという「騰」。しかし、「昌平君」と「昌文君」は不可能と却下。騰軍10万と飛信隊6万を編成するのでやっとであると言うのでした。
しかし、「騰」は兵士でなくてもよい。そう見えればいいというのだが・・・ここでシーンは切り替わり、未知なる10万の軍の正体がわかりました。
そこには、よぼよぼで歩くのもやったな老人たちの姿が・・・どうやら最後の10万は、兵士ではなく老人に甲冑を着せただけの見せかけの軍だったようです。
つまり、羌瘣の策は大軍で南陽へ攻め入る。そうすると、韓は王都に兵を集中するため、南陽一帯は無血で放棄する。ゆえに、戦闘は起きないため最後の10万は老人で編成する。といったものだったのです。
「キングダム」808話の振り返り【ネタバレ注意】
キングダム808話ですが、以下の流れで物語が展開していきました。感想と考察の前に、まずは簡単に内容を振り返っていきます。
- 南陽城へ入場!騰将軍が異例の対応!
- 今後の展望!まずは練兵からスタート
- 騰将軍の狙い!新鄭攻略のカギは南陽が握っている
①南陽城へ入場!騰将軍が異例の対応!
すでに南陽城の前に待機していた飛信隊は、騰将軍の合流を待っていたのですが、10万の軍とは思えないほどのスピードで騰将軍は飛信隊に追いつき、さっそく南陽城へ入場しました。始皇16年9月の出来事です。
入場してきた騰将軍を迎えたのは、南陽城主「龍安」と、その配下たち。秦に対して全面降伏をして従うため、虐げるようなことはしないで欲しいと頭を下げたのですが、それに対して騰将軍は了承。
後に咸陽から南陽を統治する役人が派遣されるため、それまでは騰将軍が仮の長官になると龍安に語りました。騰将軍がどのような人物かわからないにも関わらず、龍安はどこか落ち着いている様子です。
そんなこんなで騰将軍や騰軍幹部たち、そして飛信隊幹部たちの入場は済んだのですが、全軍16万はまだ外で待機している状況。南陽城は大きい城なのですが、さすがに16万は入れないのでした。
よって騰将軍は軍の半分以上、つまり8万以上は城外で野営。場内に入れる者は初従軍ではない兵達にするよう指示を出しました。城内での不祥事は厳禁。古参兵にも気を緩めないよう通達せよとのことでした。
それに対して龍安たちは不思議そうです。侵略者である騰将軍が、思ったよりかなり優しい将軍であり、拍子抜けしたのでしょうか?しかし、ここで龍安たちの肝が縮まる事件が・・・
5年前に秦に両親を殺されたという程兄弟が、城壁に韓の旗を掲げてしまったのです。すでに降伏した城でこんなことをすると、さすがに斬首・・・龍安は頭を下げ、全て私の責任。処罰するなら私を処罰してくれと懇願するのでした。
しかし、ここで騰将軍は本来ならありえないような異例の対応をするのでした。なんと、韓の旗を掲げた者たちに対しての処罰はなし。逆に、そのまま旗は掲げていいというのでした。
そしてあろうことか、降ろした旗を再度あげるように龍安に申し出たのです。秦と韓、両方の旗を南陽城に掲げようと・・・この狙いはいったい何なのか?
②今後の展望!まずは練兵からスタート
そこから時は過ぎ、騰将軍を除いた飛信隊と騰軍が今後の展望を話し合うシーンが描かれました。そんな騰将軍の指示は、「しばらく南陽に留まる」というもの。すぐには王都へ攻めず、「機が熟すまで待機」とのことです。
というのも、無策に攻めても韓王都「新鄭」は落とせない。南陽は無血で手に入れることができましたが、その代わり南陽の軍は全て新鄭へ向かったからです。
よって全軍で韓王都「新鄭」へ侵攻する必要があるのですが、秦は次の大戦のために犠牲を最小限に抑える必要があるのですが・・・そこでやることは「練兵」。
今いる秦16万は、戸籍制度で無理やりかき集めた兵力のため、実戦経験がない者も多くいる状況。それらを練兵して、真に屈強な大軍と成し、韓王都「新鄭」に集まった韓軍に対して圧倒的力の差で打ち破るのです。
それが最低限の準備。策に関しては騰将軍が考えているようですが、いたずらに休むだけにはいかないので、やれることをやろうと、騰将軍を除いた飛信隊と騰軍幹部は考えたのです。
ところで不在の騰将軍はというと・・・龍安と南陽城を見て回っている最中のようです。
③騰将軍の狙い!新鄭攻略のカギは南陽が握っている
仮に龍安が南陽を暴政で治めていた場合、首を切って民を解放した形であれば秦は容易に南陽を統治できたのですが、龍安は民からの信頼の熱い名君だったので、この方法は使えない。
落とした以上、統治するのは秦なのですが、それであれば民の信頼の熱い龍安を利用した方が賢明であると騰将軍は判断たのです。以上の理由から、騰将軍と龍安は一緒に城内を回っていたのですが・・・
騰将軍は、龍安に冠を付けるよう言います。その方が民が安心すると・・・それに対して龍安は、旗のことといい冠といい、騰将軍は「心優しいお方」と頭を下げたのですが、ここで騰将軍の本当の狙いが呟かれました。
「新鄭攻略のカギは南陽にある」と・・・これはどういうことなのか。気になるところで、咸陽から南陽の長官となる「剛京」が到着しました。
剛京は、南陽につくなり韓の旗が掲げられていることに対して怒ります。そして、南陽の民に向かって、秦の役人に従うこと。逆らえば斬首の処罰もあると心得よと、威圧したのでした。
そして最後に、南陽城主「龍安」の首をすぐにはねよと叫ぶのですが・・・南陽の民は怯えている様子ですが、そのとき騰将軍は眉間にしわを寄せて、どこか怒っている様子・・・
以上、キングダム808話の振り返りでした。次の項からは、実際に808話を読んだ感想と考察です。
「キングダム」808話のネタバレ感想考察
808話に関しては、とくに大きく物語が展開しなかったので、感想と考察は以下の2つだけ。
- 騰将軍は韓王都「新鄭」も無血開城を狙っている?
- 「剛京」と「騰将軍」が対立する?
①騰将軍は韓王都「新鄭」も無血開城を狙っている?
808話で、騰将軍は「新鄭攻略のカギは南陽にある」と発言しました。この意味は何なのでしょうか?攻略のカギとは?ひとまず、808話で行った騰将軍の対応を振り返ってみましょう。
- 韓の旗を秦の旗と一緒に掲げた
- 南陽城内には初従軍ではない者とする。そして古参兵に対しても気を緩めないよう注意をして、城内での不祥事は厳禁とした
- 民を安心させるよう、龍安が無事であることをわからせるため?城内を徘徊した。またその際、龍安に冠を被せた
騰将軍は、南陽に対して気を使いすぎているというか、かなり異例な対応かと思います。しかし、これが新鄭攻略に必要なことだと思いますので、さらに深く考察してみると・・・
恐らく、騰将軍は韓王都「新鄭」も、南陽と同じように無血開城を狙っており、そのための準備を南陽で行っているものと考えられます。
まず、韓王都を無血で開城させるには、降伏後の扱われ方を韓に示す必要があります。降伏後、女は凌辱され男は奴隷となれば、死んだほうがましと死に物狂いで戦うと思います。
故に、騰将軍は降伏後の韓の扱われ方を、南陽で示そうと考えているものと思われます。降伏しても、奴隷にはしない。手を取り合い、新たな国づくりのために協力し合いたいと、示すのです。
これが騰将軍の言った「新鄭攻略のカギは南陽にある」の答えかと思います。
②「剛京」と「騰将軍」が対立する?
降伏後の韓の扱われ方を南陽で示そうと考えているような素振りを見せていた騰将軍ですが、「剛京」の登場で眉間にしわを寄せ、どこか怒っているようでした。
「剛京」は、強い言葉で従わせようとしており、どちらかと言うと侵略者のような統治の仕方です。そのやり方に、騰将軍は怒ったのではないでしょうか。
しかし、南陽を統治するのは「剛京」と決まっているので、それを止めることはできないような気がするのですが・・・先の展開を気にする「騰将軍」は、相手が長官であろうと、関係なく対立すると思われます。
「剛京」と「騰将軍」の対立。これを見た韓の民、そして龍安は何を思うのか。南陽の信頼を得るには、龍安の信頼を得る必要があるので、この対立で騰将軍は龍安の信頼を得ることができるか?
以上、808話の感想と考察でした。キングダム最新話の展開については、こちらの漫画「キングダム」全話最新ネタバレ感想考察まとめ【時系列ごとで簡単にあらすじと全戦いを解説】をどうぞご覧ください。
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