「キングダム」鄴攻め編！感想と考察をまとめ【ネタバレ注意】

2024年8月28日2024年8月29日

キングダムの長編の中でもトップレベルに長く、実に3年にも及んで連載されていたのが鄴攻略編です。内容も面白く、見所だらけの長編でした。

ここでは、そんな鄴攻略編のあらすじを簡単にまとめていきましょう。

「キングダム」鄴攻め編の見所と考察

ここまでは鄴攻略編の流れに沿って展開と感想と考察をまとめていきましたが、ここからはさらに個人的に面白かったところや見どころをまとめさせていただきます。

個人的に思う「鄴攻略編」の見所は以下の4つです。

それぞれ深堀りさせていただきます。

今回の戦いは、李牧と王翦の知略合戦といっても過言ではない戦いでした。それが特に現れていたのが、列尾の放棄と鄴を兵糧攻めするという王翦の策でしたよね。本来、列尾を維持できなくなった時点で速攻で鄴を攻め落とすという策は難しいのに、軽く判断してしまうあたり、凄まじい知略の持ち主だと思います。

この時のお互いの考えが交差する感じがめちゃくちゃ格好よくて、現時点での頂上決戦の名シーンだと思いました。最後の最後には李牧の策を王翦が破ったあたり、どれだけ王箭が強大な人物なのかもわかります。

しかも、これだけ知略を尽くし合っているのに戦闘後の兵糧のことまで考えていたあたり、本当に底知れない感じがしました。

今回の戦いは、王賁と蒙恬も大活躍しました。これまでどちらかというと知略型の印象が強かった蒙恬が、自ら戦いはじめたのが印象的でした。もちろん、崩壊状態にあった軍を立て直すなど、知略面での活躍も目覚ましかったですね。

一方の王賁も負けてはいませんでした。限界まで体を酷使した後の尭雲との一騎打ちは特に印象深く、彼がもはや一人前の将軍であり、武人であることを表す名シーンだと思いました。

そして、彼らに負けじと戦う信の姿も注目のシーンでしたね。2日目に彼らの戦いぶりに焦ってやきもきする信の姿は、少しコミカルではありつつも3人の関係が描かれる良シーンだと思います。

ただ、そんな関係だからこそ、秦が王賁の隊を救出したシーンは最高でした。これからもこの3人はお互いを高めつつも大将軍への道をかけあがっていってほしいです。

鄴の戦いでは、王翦が李牧と一対一で歩み出て会話をするシーンがあります。この時の会話は、個人的に今後のキングダムを語る上で非常に重要なシーンだと思いました。

というのも、王翦は李牧のことを極めて高く評価していることを明かした上で「共に最強の国を作ろう」と述べていたからです。この言葉からは、すなわち王翦の最終的な目標が嬴政に仕えるわけではなく、国の王として君臨することにあることがわかります。

これまでは寡黙な仕事人といった雰囲気で、何を考えているのかわからないながらも秦という国への忠誠はある武将だと思っていたのですが、李牧との会話で彼は身中の虫になりうる存在だと仄めかされました。李牧に対して「自分の」配下になるように促すのは本当に驚きです。

史実での彼はむしろキングダムの王翦とは真逆で、有能ながら嬴政に疑われないように自分を過小評価する人物という印象だったので、ここからどう動くのか気になりますね。

何より、人物を見る目に優れた李牧が「あなたは国を壊すことはできても国を作ることはできない」と、王翦の勧誘をバッサリ切り捨てたのも気になります。もしかしたら、今後史実とは違う形で敵として立ちはだかるかもしれません。

今回の戦いで、信は今まで幾度となく戦い続けてきた龐煖との決着をついにつけます。しかも、信の手にはようやく王騎から受け継がれた矛が握られる中での決着でした。ただ、戦いはこれまでで1番激しく、最後の最後までわからないほどでしたよね。

その中で語られた、信と龐煖の対比はキングダムという作品を貫く重厚なテーマのひとつだったと思います。というのも、龐煖はいつも独りで、ただひたすらに他人を捨てながら武を磨き続けてきました。一方信は色々な人からたくさんのものを受け取り、それを引きずって強くなっていったのです。

全てを背負った信と、全てを捨てていった龐煖の戦いは、王騎はじめ、たくさんの人を背負った信の勝利に終わりました。決定打となったのが、信以前にも多くのものを背負ってきた王騎の矛というのもめちゃくちゃカッコよくて痺れます。

今後も信はたくさんのものを背負っていくと思いますが、きっと信ならそれらをひとつも取りこぼさず、真っすぐに進み続けるんだろうという確信があります。そしておそらく、龐煖もまた信に背負われていくのでしょう。

龐煖はこれまでで間違いなく最強の敵でした。しかし、将軍になった信の道はまだまだ続くのです。

本記事では、キングダムにおける鄴攻略編のあらすじと感想をまとめました。鄴攻略は非常に長く、ここまでで最長となったエピソードでした。しかし戦いひとつひとつの描写が濃厚で、敵味方入り乱れて、読んでいてだれないエピソードだと思います。

鄴の戦いで趙は大政変に見舞われ、秦にとっては大きなチャンスとなります。この後もキングダムの物語は面白くなっていくので、目が離せませんよね。戦いは本格的にはじまり、いよいよ大物の将軍たちが乗り出してきます。

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